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運行管理者は営業所ごとに配置しなければならないのですか?補助者制度も含めて徹底解説
運送業の許可取得や営業所の新設を考えるとき、「運行管理者は営業所ごとに必要なのか」「補助者がいれば足りるのではないか」という疑問は多くいただきます。特に鹿児島県内で新規許可や営業所の追加を検討している事業者にとっては、人の確保が難しい中で、どこまでが必須で、どこからが補助的な制度なのかを正確に押さえておくことが大切です。
結論からいえば、一般貨物自動車運送事業では、運行管理者は営業所ごとに選任しなければならず、補助者だけで営業所の運行管理体制を成立させることはできません。許可申請の段階でも営業所単位の運行管理体制をきちんと示す必要があります。九州運輸局の申請様式では、運行管理者や補助者の確保状況に加え、営業所と車庫が離れている場合の連絡方法や対面点呼の実施方法、移動手段、所要時間、駐在時間まで記載する形になっています。 [Source] [Source] [Source]
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結論:営業所ごとに運行管理者が必要
まず結論です。一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者を「営業所ごと」に選任しなければなりません。これは補助者を置いているかどうかに関係なく、営業所ごとの配置が前提です。つまり、本社に資格者が1人いるから他の営業所もその人でまとめて見ればよい、という考え方は基本的に通りません。 [Source]
さらに、運行管理者は他の営業所の運行管理者や補助者を兼務することはできないとされています。ここはかなり大事なところで、「資格者がいるかどうか」だけではなく、「どの営業所の運行管理者として選任されているのか」が問題になります。 [Source]
そのため、営業所を増やす場面では、車両や車庫の確保と同じくらい、営業所ごとの運行管理者をどう確保するかが重要になります。鹿児島で事業を始める場合も、鹿児島運輸支局を通じて九州運輸局の審査基準で見られるので、この点をあいまいにしたまま申請を進めるのは危険です。 [Source] [Source]
なぜ営業所ごとの配置が前提になるのか
運行管理者の仕事は、単に名前を置いておくことではありません。点呼、アルコールチェック、健康状態の把握、過積載防止、運転者への指示、事故防止のための安全管理など、日々の運行を現場で回していく役割を担います。法律が営業所ごとの配置を求めているのは、まさに営業所単位で安全管理を機能させるためです。 [Source]
点呼は原則として営業所で行うものとされており、営業所と車庫が離れている場合には、必要に応じて運行管理者または補助者を車庫へ派遣して点呼を行うことが示されています。つまり制度の考え方は、どこか一か所に資格者の名前があれば足りるというものではなく、それぞれの営業所で、実際に点呼や安全確認ができる体制ができているかどうかにあります。 [Source]
九州運輸局の許可申請書でもこの考え方ははっきり出ていて、営業所と車庫が併設されていない場合には、どこで対面点呼をするのか、営業所と車庫の間を誰がどう移動するのか、何分かかるのか、車庫にどの時間帯に駐在するのかまで記載を求めています。申請段階でそこまで書かせるのは、運行管理が机上の計画ではなく、実際に回るかどうかを見ているからです。 [Source] [Source]
営業所には何人の運行管理者が必要か
必要人数は営業所ごとに管理する事業用自動車の台数で決まります。30台未満の営業所は1名以上、30台以上の営業所は30台ごとに1名以上を基本に人数を増やす仕組みになっています。実務上は、30台から59台なら2名、60台から89台なら3名という理解で押さえておけば大きく外しません。 [Source] [Source]
ここで注意したいのは、会社全体の総台数ではなく、あくまで営業所ごとの台数で見るという点です。たとえば、鹿児島市の本社営業所に20台、霧島市の営業所に15台を配置するなら、会社全体では35台でも、営業所単位ではどちらも30台未満ですから、それぞれの営業所に少なくとも1名ずつ必要になります。逆に、本社に2名置いて他営業所はゼロ、という形にはできません。 [Source] [Source]
また、九州運輸局の申請様式では、運行管理者が2人以上いる場合に統括運行管理者を定める欄も設けられています。人数が増えるほど、誰が全体を見て、誰がどの時間帯を担当するのかを整理しておかないと、現場の運行管理が形だけになりやすいからです。 [Source]
補助者はどこまでできるのか
次に、よく相談される補助者制度です。事業者は、運行管理者の業務を補助させるために、運行管理者の補助者を選任できるとされています。ここで大事なのは、「補助者」はあくまで補助者であって、運行管理者そのものではないということです。 [Source]
補助者は運行管理者の履行補助を行う者であって、代理業務を行える者ではないと明記されています。ただし、点呼に関する業務については、その一部を補助者が行うことができるとされています。つまり、補助者はまったく何もできないわけではありませんが、営業所の運行管理体制の中心になる立場ではありません。 [Source]
さらに重要なのが、補助者が点呼を行う場合でも、運行管理者の指導・監督のもとで行う必要があるという点です。補助者が点呼の中で、酒気帯び、疾病、疲労、過積載など安全運行に支障のおそれがある事情を確認したときは、自分の判断で完結させるのではなく、直ちに運行管理者に報告し、運行の可否などについて指示を受けたうえで対応しなければならないとされています。 [Source]
また、補助者に点呼を任せられるとしても無制限ではありません。通達では、補助者に点呼の一部を行わせる場合であっても、当該営業所で選任されている運行管理者が行う点呼は、総回数の少なくとも3分の1以上でなければならないとされています。裏返せば、補助者だけで点呼を回し続ける運用は制度上想定されていない、ということです。 [Source]
九州運輸局の経営許可申請書でも、補助者を置く場合には氏名や確保状況を記載する欄があり、基礎講習修了年月日を記入する形式になっています。つまり、補助者は便利な現場戦力ではありますが、可能であれば最初から正式な運行管理体制の一部として整理しておく必要があります。 [Source] [Source]
よくある誤解と実務上の落とし穴
一番多い誤解は、「補助者を置けば運行管理者の代わりになる」というものです。これは明確に違います。補助者制度は、早朝や深夜の点呼対応などで運行管理者の業務を支えるための仕組みであって、営業所ごとの選任義務そのものをなくす制度ではありません。運行管理者が前提にいて、その指揮監督の下で補助者が機能する、という順番を外してはいけません。 [Source] [Source]
次に多いのが、「本社に資格者が1人いれば、複数営業所をカバーできる」という考え方です。これも原則として通りません。運行管理者は他の営業所の運行管理者や補助者を兼務できないとされています。なお、IT点呼など一定の制度のもとで他営業所の点呼を行うこと自体は、選任の兼務とは別の話として整理されていますが、それでも営業所ごとの運行管理者の選任義務がなくなるわけではありません。ここは誤解しやすいところです。 [Source]
実務では、「とりあえず申請書に名前を書いておけば何とかなる」と思われがちですが、それも危険です。運行管理は日々の点呼や安全管理に直結する業務なので、実際の勤務体制、車庫との距離、点呼場所、時間帯ごとの対応まで整っていなければ、あとで無理が出ます。特に営業所と車庫が離れているケースでは、申請時点でかなり具体的な運用計画を求められるため、書類だけ整えても実態が追いつかなければ苦しくなります。 [Source] [Source]
九州運輸局管内で見落としやすい申請実務
鹿児島の事業者が九州運輸局管内で許可申請を進めるときは、単に資格者がいるかどうかだけでなく、営業所ごとの体制が見える形で整理されているかが重要です。九州運輸局の手引では、「事業用自動車の運行管理及び整備管理の体制」を作成するにあたり、担当常勤役員、運行管理者、補助者、整備管理者、運転者などの人数と確保状況を記載するよう求めています。つまり、申請の初期段階から組織図レベルで体制を示す必要があります。 [Source]
特に見落としやすいのが、営業所と車庫の位置関係です。営業所に点呼場所を置くのか、車庫に点呼場所を置くのかで、必要な説明が変わります。車庫で点呼するなら、運行管理者または補助者がどう移動するか、何分かかるか、どの時間帯に車庫にいるのかを書く必要があります。営業所で点呼するなら、今度は運転者が営業所と車庫をどう移動するかを書かなければなりません。こうした部分があいまいだと、現実に安全管理ができるのかという点で疑問を持たれやすくなります。 [Source] [Source]
また、補助者を活用するにしても、最初に考えるべきなのは「足りないところを補う人材」としてどう使うかであって、「運行管理者がいなくても回すための代替手段」として考えることではありません。新規許可や営業所新設の場面では、まず営業所ごとの運行管理者をどう置くかを固め、そのうえで早朝・深夜・繁忙時の負担分散として補助者を組み込むほうが、実務上も無理がありません。
行政書士に相談するメリット
運送業の許可申請では、車庫、休憩睡眠施設、車両、資金計画などに目が向きがちですが、実は人員配置の組み立てでつまずくケースが少なくありません。とくに営業所を複数設ける場合や、営業所と車庫が離れている場合は、運行管理者を誰にするか、補助者をどこに置くか、点呼をどこでどう回すかまで設計しておかないと、後から運用が崩れやすくなります。
運送業専門の行政書士であれば、九州運輸局管内の申請実務を踏まえて、必要人数の整理、資格者の確保方法、営業所ごとの指揮命令系統の組み立て、点呼方法の設計、申請書への落とし込みまで一通りサポートできます。許可を取るためだけの書類作成ではなく、許可後に無理なく回る体制を一緒に考えられるかどうかが、実際にはかなり大きい部分です。
鹿児島でこれから開業する方や、営業所を増やしたい方ほど、車両や土地の話と並行して、運行管理者の確保を早めに動かしておくのがおすすめです。ここが後回しになると、申請のスケジュール全体が止まりやすいからです。
まとめ
運行管理者は営業所ごとに必要です。補助者は便利な制度ですが、あくまで運行管理者の業務を補助する立場であり、営業所ごとの運行管理者の代わりにはなりません。運行管理者は他営業所との兼務ができず、補助者が点呼を行う場合でも、運行管理者の指導・監督の下で行う必要があります。しかも、運行管理者自身が行う点呼は総回数の少なくとも3分の1以上必要です。 [Source] [Source]
そして、鹿児島の事業者は九州運輸局管内の申請ルールに沿って、営業所ごとの運行管理体制を具体的に示さなければなりません。営業所と車庫が離れている場合は、連絡方法、点呼場所、移動手段、所要時間、駐在時間まで見られます。だからこそ、補助者制度をうまく使うにしても、まずは営業所ごとの運行管理者をしっかり確保することが先です。そこを固めたうえで体制を組めば、許可申請もその後の運営もずっと安定しやすくなります。 [Source] [Source] [Source]

